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illustration by Shu-Thang Grafix |
ずっと会いたかったシェフに、ようやく、
2009年 10月 16日
会えた。 横浜「ラニ」のハリ・オムさんだ。 いや、ま、別にハリさんは普段お店にいるわけだから、 会おうと思えばいつでも会いに行けたわけなんだけど、 ボクにとって敬愛する人に会うというのは、とても特別な行為で、 一種の儀式みたいなところがあるから、 ただ顔と顔を合わせて挨拶するというだけでは、納得がいかない。 会うべくして会う必要があるのだ。 これを人は「縁」というんだろうか。 適切な表現が見つからないのだけれど、誤解を恐れずに言えば、 会いたいとおもっている相手にとって、自分が意味のある、会う価値のある、 もっと言えば、その後もしっかりと記憶に残る存在として 初対面の瞬間を迎えたい、ということなのかもしれない。 全く面倒くさい性格だ、と我ながら思う。 だからボクはまだ面識がない、でも一方的に敬愛しているすべての人に対して、 その瞬間が訪れるまでいつまでもじっと待つ。 周囲には親切な人がいて、 「そんなに好きなら会わせてあげようか?」とか、 「仲いいから紹介しますよ」とか、 言っていただくこともある。 でも、多くの場合、それはボクの考える「縁」とはちょっと違う。 だから敬愛する人であればあるほど、ボクは丁重にお断りする。 いつか、「縁」あって対面する日がきっとくる。 それまでは、ガマンしよう……と。 そんな風に面会のチャンスがあったにも関わらず、 それを放棄したケースは過去に何度もある。 たとえば、写真家の森山大道さんとか、プロ棋士の羽生善治さんとか、 音楽家の細野晴臣さんとか、画家の荒井良二さんとか……。 手を伸ばせば届くのに、グッとこらえた。 (でも、いつかお会いしたいです) もちろん、ボクにだって、どんな手を使ってでも一目でいいから会いたい人はいる。 刑事コロンボのピーター・フォーク氏とか、映画監督のウディ・アレン氏とか……。 (誰か、なんとかしてくれませんか・笑) ともかく、ボクは、ついに(ボクにとって正式な意味で)、ハリさんと会った。 来年から始まるあるプロジェクトを一緒にやっていくことになったから、 その打合せで「初めまして」の儀式を果たしたのだ。 ハリさんは、もしかしたらこれからの日本のインド料理文化を牽引していく 第一人者として相応しい人なんじゃないかとボクはおもっている。 だから、そんなハリさんと新しいことが待ってるなんて、ドキドキしてしまう。 楽しみだなぁ。 何をするかはいつか、ここでお知らせします。
by tokyocurry
| 2009-10-16 00:06
| *水野仁輔の「プラスカレー」
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